先代がもともと椎茸農家をしていたこともあり、私は幼少期を自然豊かな能勢町で過ごしました。

基本遊びは生き物を捕まえること。魚、カメ、カブトムシ、クワガタムシ、イモリ、カエルなど、大きいもの、珍しいものを捕まえることに命を燃やしていました。

しかし、農家のこども。働かざる者食うべからずです。椎茸の原木に菌をうつ手伝いももちろんありましたが、養鶏も少しやっていたこともあり、こどもの仕事は主に鶏たちに餌をやり、たまごを回収することでした。

朝学校に行く前に、家から少し離れた鶏舎に、トウモロコシや米ぬかやらを混ぜた餌と水をバケツいっぱいに入れて運ぶ作業が嫌で嫌で仕方なかった覚えがあります。

今思えばこれらの経験は、生きるということ、食べるということを自然と学べていたのかもしれません。食べ物が作られる過程に係わってきたこと、肌で感じてきたことは私の大きな財産となっています。

「やさいの広場」には野菜にしろ、加工食品にしろ、ただ美味しかった、お腹いっぱいになりましただけじゃない、作り手さんの想いがいっぱい詰まった品物が並びます。

生きるということ、食べるということそのものが感じられる食べ物をお届けできることを誇りに思い、それらをできるだけたくさんの方にお伝えできたらと思います。

「いただきます」と「ごちそうさま」が心から言えるお店にしていきますので、これからどうぞ宜しくお願いいたします。